2017/3/30

待機児童対策に関する質問主意書及び答弁書

中根やすひろが第193回通常国会に提出した質問本文とその答弁本文になります。

待機児童問題の核心は、その七割を占める一~二歳児の受け皿不足にあると考える。また、待機児童問題が深刻な首都圏などの幼稚園では定員割れの状況となっている。さらに、保育所を整備したとしても保育士の確保も重大な課題となっている。加えて、人が集まる街ほど保育所が不足し、待機児童問題は深刻となる。
 このような認識の上で、以下質問する。

質問本文:幼稚園の認定こども園化をさらに促進するための施策について

平成二十九年二月二十三日提出 質問第八九号

待機児童問題解消策として、定員割れしている幼稚園の認定こども園化が期待されるがそのスピードはにぶい。こども園化の「壁」となっているのが公定価格が低いということや、自園調理の義務化などであると考える。従って、公定価格の引き上げや自園調理の義務化を緩和するなどしてこども園化を促進すべきと考える。
 政府としては、幼稚園の認定こども園化をさらに促進するためにどのような施策が必要と考えるか。政府の見解を示されたい。

答弁本文

平成二十九年三月三日受領 答弁第八九号

政府としては、これまでも、既設の幼稚園が幼保連携型認定こども園に移行するに際して設備等に係る特例を設けるとともに、認定こども園に係る御指摘の公定価格については、平成二十七年度において、定員規模に応じて保育教諭等を加配するチーム保育加配加算を創設し、平成二十八年度において、加配可能な保育教諭等の人数を増加させたところである。
 また、認定こども園における食事の提供については、原則として当該認定こども園内で調理する方法により行われなければならないこととしているが、幼保連携型認定こども園及び幼稚園型認定こども園においては、当該幼保連携型認定こども園内又は当該幼稚園型認定こども園内で調理する方法により食事の提供を行う園児の数が二十人に満たない場合に調理室を備えないことができることとする等、幼稚園からの移行に対して一定の配慮を行っている。
 保護者のニーズや地域の実情を踏まえて認定こども園への移行を希望する幼稚園に対し、今後とも、円滑な移行ができるよう支援してまいりたい。

 

質問本文:保育士以外の有資格者が保育に従事できるようにすることについて

平成二十九年二月二十三日提出 質問第八九号

処遇改善が進まず保育士不足の状況となっていることを鑑みた時、認定こども園の満三歳未満児の保育に従事する場合や小規模保育A型に従事する場合には保育士資格が必要であることや、小規模保育B型の一時預かり保育には二分の一以上の保育士が必要であることなどにより、保育士確保の困難さを伴うことが待機児童解消の障害となっていると考える。加えて、児童養護施設や放課後児童クラブでも保育士が必要とされ保育士不足に拍車がかかっている。
 そこで、保育士以外の幼稚園教諭、介護士、社会福祉士、看護師などの有資格者も特に〇~二歳児の保育に関しての知見や技能を有していることが考えられるので、一定の研修等を受けた上で保育に従事できるようにすべきと考えるが、政府の見解を示されたい。

答弁本文

平成二十九年三月三日受領 答弁第八九号

お尋ねの「有資格者」及び「一定の研修等を受けた上で保育に従事できるようにすべき」の意味するところが必ずしも明らかではないが、幼稚園教諭については、保育士資格を取得する場合、保育士試験の試験科目の一部を免除する特例を設けており、また、当分の間、保育所等に配置する必要がある保育士の数の三分の一以下の範囲内において、保育士とみなすことができることとしている。看護師については、乳児四人以上を入所させる保育所において、当分の間、一人に限って保育士とみなすことができること等の措置を講じている。また、お尋ねの「介護士」とは、介護福祉士を指すものと考えているが、介護福祉士及び社会福祉士等については、平成二十七年六月三十日に閣議決定した「「日本再興戦略」改訂二〇一五」に基づき、保育士資格を取得しやすくするための方策について検討しているところである。

 

質問本文:大型マンションを建築する場合の保育ニーズの受け皿について

平成二十九年二月二十三日提出 質問第八九号

大規模なマンションを建築して収益を上げる業者が、そこに住む人の保育ニーズを地域社会に丸投げすることは問題である。
 一定規模以上の大型マンションを建築する場合には、保育所の設置を義務付けるなど、建築主が責任を持って保育ニーズの受け皿をつくるべきと考えるが、政府の見解を示されたい。

答弁本文

平成二十九年三月三日受領 答弁第八九号

地域の保育ニーズに応じた保育の受皿を確保するため、一定規模以上のマンションの建築が行われる際、事業者に保育所の設置の協力を要請する市町村(特別区を含む。以下同じ。)があるということは承知している。保育所等の整備は保育の実施義務を有する市町村が地域の保育ニーズを踏まえて計画的に行うものであるため、こうした要請等を行うか否かは市町村が判断すべきものであると考えているが、厚生労働省としては、市町村が工夫を行っているこのような取組を引き続き周知してまいりたい。

 
 

※この記事は衆議院ホームページの質問答弁情報から転載しています。
 

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