2017/3/30

健康増進法と労働安全衛生法における歯科健診に関する質問主意書及び答弁書

中根やすひろが第193回通常国会に提出した質問本文とその答弁本文になります。

健康増進法においては、歯周病検診が市町村の健康増進事業の一つとされている。
 他方、労働安全衛生法では、塩酸、硝酸、硫酸、亜硫酸などの無機酸を取り扱う作業現場に従事する場合、ミストが口腔内に吸引されて歯の表面に接着することによって歯質の溶解や欠損が生じやすいということで、特別に歯科健診が実施されなければならないとされているだけで、その他の業種に関しては法的な基盤が希薄である。
 口腔の健康は全身の他の疾患と深く関連していることが明らかになってきていることや口腔のトラブルが労働生産性の低下にもつながることが考えられる。
 このような観点から、以下質問する。

質問本文:歯科健診を実施することを義務付けを趣旨とする労働安全衛生法の改正について

平成二十九年二月二十八日提出 質問第九七号

有害業務に従事する労働者を対象とする特殊健診のみならず、すべての業種の労働者に対して歯科健診を実施することを義務付けることを趣旨とする労働安全衛生法の改正を行うべきと考えるが、政府の見解を示されたい。

答弁本文

平成二十九年三月十日受領 答弁第九七号

労働安全衛生法(昭和四十七年法律第五十七号)第六十六条の規定に基づく健康診断は、あくまでも労働者の業務に関連する健康障害を防止する観点から、事業者にその実施義務を課し、原則、事業者負担により実施しているものであり、同法において、事業者に対し、労働者の業務に関連する健康障害を防止する観点と関わりなく歯科検診の実施を義務付けることは困難である。
 なお、労働者の業務と歯科疾患の関連については、労働安全衛生法の一部を改正する法律(平成二十六年法律第八十二号)の国会審議における附帯決議の趣旨を踏まえ、労災疾病臨床研究事業費補助金により関連する調査研究を行い、知見の収集に努めているところである。

 

質問本文:歯周病以外の口腔の健康状態全般を検診の対象とすることについて

平成二十九年二月二十八日提出 質問第九七号

健康増進法においては歯周病検診のみが市町村事業と位置付けられているが歯周病以外の口腔の健康状態全般を検診の対象とするような健康増進法の改正が必要と考えるが、政府の見解を示されたい。

答弁本文

平成二十九年三月十日受領 答弁第九七号

お尋ねの「歯周病以外の口腔の健康状態全般を検診の対象とするような健康増進法の改正」の意味するところが必ずしも明らかではないため、一概にお答えすることは困難である。なお、健康増進法(平成十四年法律第百三号)第十九条の二の規定に基づき市町村(特別区を含む。以下同じ。)が実施する歯周疾患検診については、市町村に対して「歯周病検診マニュアル二〇一五」(平成二十七年六月三十日付け健発〇六三〇第四十二号厚生労働省健康局長通知別添)において、歯周病に関するもののみならず、歯の状況に関するもの、口腔清掃状態等もその検診項目として示している。

 

※この記事は衆議院ホームページの質問答弁情報から転載しています。
 

ホームへ先頭へ前へ戻る