2018/1/10

1月10日岡崎の「スポーツ立市」を考えてみました

2018年

昨年12月に岡崎中総でリレーマラソン1.5km。
今年新春に矢作川でやはり1.5kmのマラソン大会に参加してスポーツについて感じたことを述べたい。
岡崎の都市戦略、つまり岡崎市の進むべき方向性を明確化し、思い付きではなく論理的、戦略的政策を立案しようとする時、「スポーツ立市」という考え方は極めて可能性の大きな選択肢の一つだと思う。

「スポーツ立市」とは、スポーツを都市経営の重要な柱とし、市民が日常的にスポーツに親しみ、アクティブで健康的な生活を営むことができるまちづくりを実現するとともに、スポーツをアマチュアイズムとしてだけでなく、ビジネスイズムという観点からも着目し、スポーツを都市の集客装置として機能させ、域外からのスポーツを目的とした観光客を呼び込む「スポーツツーリズム」という発想を活かし、経済効果を生み出す仕組みを作ることである。
スポーツが都市にもたらす効果は、消費誘発、社会資本蓄積、都市知名度アップ、地域の連帯感向上などが考えられる。

例えば、私が政務官を務めた経産省の商務情報政策局では「ゴミ拾いはスポーツだ」としたイベントに局長賞を出したりしている。これなどは、スポーツを社会問題解決にリンクさせていると言える。
スポーツ立市を具体化する為に、実際の地方行政では、スポーツが観光などと別々の部課であっては効率が悪い。
観光、文化、スポーツなどの機能を一元化する組織が必要となる。
その上で、スポーツに気軽に参加できる公共スポーツ施設、地域スポーツクラブ、自転車専用道路、ウォーキングコース、ジョギングコースなど、アクティブで健康的なライフスタイルを楽しめる生活環境。インフラの整備。また、人を集められるスポーツイベントの誘致。更には地域密着型プロスポーツの育成なども視野に入れなければならないであろう。

こうした視点で郷土岡崎市をみた時、中央総合公園、元県営グランド、六名体育館などの公共スポーツ施設がある上、自然道、河川、山地など、豊かな自然を活用できる、スポーツ資源の豊富なアウトドア型都市でもある。特に額田地域はアウトドア型スポーツ資源の宝庫と言える。
このようなことから、岡崎はスポーツと非常に親和性は高いと考える。

しかし、「スポーツに親しむまちづくり」としては、これだけでは不十分である。
例えば、電線の地中化や歩車道の段差解消、多機能トイレの整備などバリアフリー化によって、年齢や障害に関係なく、移動、まち歩き、ウォーキング、ジョギング、サイクリングなどを安全に快適に出来るようにすることが必要であろう。
更には、地域ごとのスポーツ人材資源を有効に活用する仕組みをつくることが大切である。
現役、あるいは引退したアスリートや学校の体育教員などをネットワーク化し、コーチや指導者、政策づくりに活躍してもらいたい。

次に視点を少しかえて考案してみる。
岡崎はもともと「ものづくり」が盛んな町である。この「ものづくり」という特性も、実はスポーツと親和性があるのではないか。
記録を伸ばす為、あるいは怪我をしない為のシューズやウェアの開発といったように、スポーツの世界ではスポーツという「コトづくり」が優秀なスポーツ用品の開発といった「ものづくり」を先導してきたと言える。
元々、スポーツ産業は、愛好者から競技者のレベルまで欲しいスポーツ用品を多様なラインナップから選択するようになったり、素材の開発を進め高機能化したり、ファッション性が高まったりというように、女性や高齢者まで広くユーザーを取り込んでいる。特に障害者スポーツにおける用品の開発は頼もしい。
また、今やスポーツ用品やフィットネスクラブ経営者などは、プロスポーツをめぐる権利ビジネスなどとハイブリッドに融合してもいる。
スポーツを通じて都市の交流人口を増やす。住民の健康を幸せにつなげるスポーツ用品の開発と言ったように、スポーツイベントは「人、モノ、カネ」の流れを生み出し、活性化する。
加えて、魅力あるスポーツイベントを企画して多くの人に参加してもらう為にSNSの活用は絶対条件であろう。スポーツに関する行政組織はSNSによる発信を最大限重視すべきである。

このように、スポーツを都市戦略と位置づける時、アマチュア主義とビジネス主義とのハイブリッドが必要不可欠となる。
アマチュアイズムだけでは、教育や健康福祉政策に貢献はしても、地域経済を動かす力にはならない。スポーツを通じて、地域経済を活性化するということは、域外からのインバウンドがもたらす消費誘発効果を生み出すということである。
域外からの交流人口の、増加とそれによる地元産業における雇用、消費、創出こそが、スポーツツーリズムという言葉で表現される経済効果である。
大規模なイベントを開催しても参加者が域内住民だけであれば、消費も雇用も生み出されるのは少ない。

このようなスポーツにおける経済効果を最大限化する為に、行政において「スポーツコミッション」を組織し、国内外のスポーツイベントの誘致や、スポーツを教育福祉健康分野だけでなく、産業とマッチングさせる機能が求められる。シティープロモーションという観点からしても、自治体にとって集客力と情報発信力を合わせ持つスポーツの力は活かさない手はない。
スポーツツーリズムを通して住みたい町、子育てしやすい町、仕事のある町をつくり、都市間競争を勝ちぬき人口減少に歯止めをかけることが出来る。
都市間競争に勝つ為、スポーツを活用しようとする時、自治体においてスポーツが施策上のプライオリティを確保することを裏打ちする条例が必要だと考える。この条例は単にスポーツ施設の利用料や利用者を定めるだけのものではなく、スポーツ政策の基本的理念や基本方針が書き込まれなければならない。条例化によりスポーツ実践は、すべての住民にとって基本的な権利であることを明らかにする。

つまりは、生涯にわたってスポーツに参加する機会が保証され、障害等の理由によって差別されてはならないこと等が定められるべきである。
同時に、自治体行政の側にスポーツを実践する為の諸条件を整備する責務を担わせ、財源確保の根拠とされるべきである。
スポーツ権などは本来、憲法に定められても良いものであると考えるが、憲法に先だって、条例が定めることも意義があるのではないか。
日本の最大の国難は「減子増老、人口減少」である。定住人口1人減によって、失われる年間消費額が10人の外国人観光客もしくは、26人の国の宿泊客の観光消費で穴埋め出来ると言われる。スポーツをはじめとするツーリズムの振興が地元の活力を保ってくれるという意味からもスポーツ立市の意義がある。
全国各地でマラソン大会が開催されていることから分かるように、今やスポーツイベントも争奪戦となっている。戦略をもってスポーツ立市に取組まなければ都市間競争には勝てない。

 

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