2018/2/13

2月6日健康格差解消で健康長寿を!!

2018年

健康寿命を長くすることに関心が高まっている。健康寿命の長い地域と短い地域があるが、これは「健康格差」という社会問題ともいえる。
WHOもこのことを課題視していて、健康格差の要因として
(1)所得
(2)地域
(3)雇用形態
(4)家族構成
を指摘している。

・世帯の所得が低いほど、米やパンなどの炭水化物の摂取量が増え、野菜や肉類が減少することが調査によって分かっている。((1))
・不規則な勤務形態だと外食やコンビニ弁当に頼りがちとなり、炭水化物が過剰になる。((3))
・特に一人暮らしの男性は、外食が多くなる((4))
・飲酒や塩分の多い食習慣がある地域は、ガンや高血圧になりやすい。((2))

健康格差を放置すると医療費や介護費の増大を招く。国は健康格差を解消出来れば、10年間で5兆円の社会保証費を抑制出来るとしている。
健康格差を解消し、健康寿命を延ばす取り組みが各地で実践され始めたようだ。
主な取り組みは、前述の(1)~(4)に関わらず、野菜を多く食べ塩を減らすということになるようだ。これにより、健康寿命に直接的に関わる心疾患、脳卒中、高血圧、ガン、肥満などの発症リスクを低減する。

 英国では、食塩を多く含むパンに目をつけ、国内のパン製造業者に減塩を働きかけた。この結果、2003年から8年間で国民一人あたりの1日の塩分摂取量は1g以上減少し、心疾患や脳卒中患者が4割減少した。このことにより年間の医療費が約2,300億円削減出来たというのだ。

 東京の足立区では、糖尿病対策に的を絞った。足立区民の糖尿病にかかる割合が高かったのである。糖尿病は高血圧や腎不全など多くの合併症を引き起こすようだ。重症化すると人工透析など、高額な治療が必要になる。医療費や介護費だけでなく、就労不能になった人は生活保護を受ける事になり、自治体の財政を圧迫する。

 この糖尿病対策として具体的にとったのが、野菜をたくさん食べる為の仕掛けづくりである。その作戦の中核は、「ベジタベライフ協力店制度」この協力店では、野菜を多くとる事と、先に野菜を食べる「ベジファースト」の実践に取り組んでいる。ランチに地場野菜を使ったメニューを取り揃え、お酒のお通しとしてまず野菜を出す等の取り組みであって、これらの取り組みは2013年から始まり、これまでに区民一人あたりの野菜摂取量は年間5kg増えたという。加えて野菜の地産地消が増え、経済効果という副産物も生み出している。

健康格差を解消する取り組みは、他にも多彩にある。
・埼玉県幸手市では、病院の側から地域に出向く「暮らしの保健室」に取り組んでいる。
・愛知県武豊町では、「介護予防いこいのサロン」を高齢者の住まいの近くにたくさん作っている。
・米国ニューヨークでは、貧困地域に進出する生鮮食品店を税優遇している。
・メキシコでは、スクワットを10回やると無料の乗車券がもらえる。

これら成功している取組に共通するのは、個人に負担をかけるのではなく、社会の環境を変える事により、より多くの人々が健康的な生活が出来るようにする仕掛けづくりである。
つまり、対象を健康へのリスクが高い人だけに限定するのではなく、広く一般大勢を対象としているということ。このアプローチでいくと、なかなか高まらない健康診断は、ただ医療機関で行っているのではなく、人が集まるところに出向くという発想が必要だろう。

健康格差の解消にとって大切なのは、健康への意識が低い人々をどう取り込むかである。健康格差を放置すれば医療費の増大などによって、すべての国民に負担がのしかかる。病気を自己責任として突き放すのではなく、社会全体で健康格差解消の仕組みを作り、格差を解消することが必要である。
みんなを助ける為に、みんなが負担をする」意識がカギである。

 

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