2018/3/2

3月2日<続> 訪問診療について

2018年

<続> 訪問診療について

2月22日付で、医療と介護の報酬同時改定が24時間対応のかかりつけ医と多死社会における在宅看取りを増やすことを重視していることを書いた。
今回は引き続きこの2点について深掘りしてみたい。

日本においては、入院患者7人に看護師1人を配置する7:1病床の報酬が高く設定されたことで、急性期病床が多い。本来は、慢性期病床や地域医療対応出来るはずの患者が、コストの高い急性期病床で囲いこまれている現状がある。
この現状を報酬改定により、「入院から地域(在宅)」へと流れを変えようというものである。

課題は地域において信頼出来る「かかりつけ医」が十分いるかどうかである。様々な疾病を診療して、患者の健康状態を継続的に見ることや休日夜間の訪診療を担うかかりつけ医のなり手は多くない。
今回の改定では、かかりつけ医が複数の診療所と連携し24時間対応出来る場合の報酬を引き上げる。訪問診療時の移動時間の無駄を省く為「オンライン診療」も対面診療との組み合わせ要件として、正式に報酬に位置づけられる。
価格は対面診療より安く患者負担も少なくなる。
身体的には、糖尿病、心不全、癌、高血圧症等の患者で初診から半年以上たっていて、毎月通院していた人が、隔月でオンライン診療にした場合等である。

尚、この場合受付はウェブサイトで、支払いはクレジットカードとなる等であろう。大病院を頼りすぎる患者の意識改革を促す為にも、紹介状なしで大病院を受診した場合に5,000円以上の追加負担が求められる。その対象が500床以上の病院から400床以上へ拡大される。

次に看取りについて、訪問診療を行う診療所は約21,000カ所あるが、看取りまでするのは、そのうち5%程度ぐらいしかない。
終末期には、「投薬よりケア」の方が大切だと考えられ始めている。
つまり、延命治療より自宅で穏やかに療養して静かに死を迎える為の支援が重要だということ。入院すれば、月30~50万円(緩和ケア病棟だと100~150万)かかる医療費が在宅医療だと介護費を合わせて35万円程度になると言われている。

ただ、ここで見落としてはいけないのは、在宅の場合の家族等による「無償のケア」負担である。家族よるケアを前提とした「安あがりの在宅医療」になってはいけない。退院後、在宅診療と在宅介護を受け、在宅で家族に過度な負担をかけずに充実した療養生活を送り、最後を迎える為に必要なのが、医療と介護の十分な連携である。
今回の診療報酬改定では、この点も手当された。
医師がケアマネに情報提供を行い、急変時に必要な介護サービスを提供できるようにすることを要件に加算がつくことになる。少し論点がずれるが、日常生活を送る為に人工呼吸器の装着や胃ろうによる栄養接種が必要な「医療的ケア児」への訪問看護も週1日から週3日へと手厚くなる。

2025年問題乗り切りを見据えた医療介護体制づくりだが、報酬改定だけで解決出来る訳ではない。問題は、人口減少下における人材の確保まである事は言うまでもない。

 

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