2018/3/6

3月6日総合事業を要支援切りにしないために

2018年

平成29年度までに、全国の全市町村で「介護予防・日常生活支援総合事業」が導入された。
健康長寿の実現に向け、要介護度の重度化を防ぐ為で、この担い手として介護福祉士ではなく、住民ボランティアらを担い手とするものである。 
つまりは、介護費用の抑制の為の、要支援1と2の人を介護保険から切り離すもので「要支援切り」だと国会で批判したものである。

政府の説明では、2017年度約11兆円の介護給付費が2025年度には21兆円に膨らんでしまうことや、人口減少、若者減少により介護人材が約40万人不足してしまうため、「要支援切り」はやむを得ないということであった。
では政府としては、この「総合事業」をどのように進めるのであろうか。
好事例として挙げられるのが、和光市である。この和光市には、私自身も視察に行ったことがある。和光市では、事業者とボランティアらが市内15ヶ所で交流スペースを共同運営するネットワークを作り、栄養改善や口腔ケア、筋力向上を進めている。

愛知県武豊町では、ボランティアらが13ヶ所の「憩のサロン」を運営し、要介護認定率の引き下げを実現している。

特に注目されるのが、奈良県の生駒市である。出来るだけ、徒歩圏内で高齢者が通える場を作った。歩かないと足腰が弱くなる。楽しい居場所づくりで歩いて通えることを推進するため「パワーアッププラス教室」を開設した。
地域包括支援センターが高齢者宅を巡回し、生活状況を把握し参加を促している。生駒市の最大の特徴は、この教室で状態が改善された卒業生が、ボランティアスタッフに加わり、筋トレ等の介助をしていることである。
つまり、元気な高齢者には「支えられる側」から「支える側」にも回ってもらうことであり、地域の住民力を引き出す事に取り組んだのである。
これらの結果、1,300人余りいた要支援1、2の認定者数が2年間で100人以上減り、要支援者向けの介護予防費が約5,000万円削減出来た。
さらに、この初期段階での重度化の予防が、介護費全体の削減効果を生み出し、要介護認定率が16%から15%に引き下がったという。

「介護予防・日常生活支援総合事業」を「財政抑制の為の要支援切り」に終わらせないためには、ネットワーク作りや人材の確保が不可欠で、これに取り組む自治体の本気度が問われることになる。
元気な高齢者を「まちの資源」として活かし、行政と住民、事業者が同じ方向を見て、一緒に考えて地域づくりに本気で取り組めば、予算が足りないという課題を乗り越えることが出来るのである。

 

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