2018/8/9

8月1日『医療的ケアが必要な子どもと家族の暮らし』<その1>

2018年

喉や気管にたまった痰の吸引、胃に直接栄養を流し込む胃ろう、呼吸を管理するための人工呼吸器、など病気や障害のため日常的に医療的ケアを受けながら暮らす子どもたちの中には、学校へ通えない子がいます。

以前に比べて医療的ケア児が増えている背景には、これまでなら助からなかった命を救えるように医療技術が進歩したことがある。

平成28年に国は「児童福祉法」を改正して、自治体が医療的ケア児の適切な支援に努めなくてはならないと定めています。

支援とは、保健、医療、福祉、教育等の連携であるが、まだまだ不十分なのが実情である。

では、どうすれば医療的ケア児の安心が確保できるようになるのか?

ニーズはライフステージによって異なりますが、 大きく分けると、小学校入学前の未就学期と小学校から高校くらいまでの学齢期とに分けられる。

●未就学期前期

主に在宅生活となるので、在宅における家族の負担が重いものになる。

一時も目を離すことができない毎日が続き、兄弟姉妹の生活や教育にも影響が及ぶ。

兄弟姉妹に我慢を強いるのは親としては辛いことである。

在宅ケアの家族の負担を軽減してくれるのが、第1に「訪問看護師」である。

例えば90分間の訪問看護師滞在中に、親は休息したり家事をこなしたりできるのだか、その貴重な、小児に対応できる訪問看護ステーションは不足している。

第2に親が頼れるのは、「レスパイト支援」である。

これは、障がい児の施設で一時的に医療的ケア児を預かってもらえるサービスで、月に一回1週間使えたりするものである。

しかし、レスパイト支援は、「預けても寝てばかり」という心配が付きまとうこともある。

東京の「もみじの家」では、預かった医療的ケア児を24時間体制で看護師が見守る。ここでは、日中は保育士などが子どもたちとかかわり様々な活動を行うことも特長となっている。「寝かせっぱなし」という親の不安を解消し安心して預けられる体制を整えている。

国もショートステイ施設に看護師を配置した場合には加算をつけることにしたので、今後、もみじの家のような所が増えることを期待したい。

また、国の制度としては看護師や保育士が自宅を訪問して支援する「居宅訪問型児童発達支援」が始まっている。

このサービスは外部に預けられるよりも、本人にとってはストレスが少ない。

●未就学期後期
3才頃になると幼稚園や保育園に通いたくても通えないという悩みに直面する。

多くの幼稚園、保育園には看護師はいない。

通常の幼稚園、保育園ではなく「障がい児の通所施設」ですら医療的ケア児に対応できるところは限られでいる。

現状では、親が一日中付き添うか親が自費で看護師をつけるかということになる。

結局、どこへも通えなくて自宅にこもりきりになり社会性を育むことができなくなってしまう。

ここまでみてくると行政に求められているのは、障がい児通所施設、幼稚園、保育園、更には自宅における看護師の配置である。

人口減少時代において、あらゆる分野で人手不足状態であり、明らかに看護師も取り合い状態である。

看護師が働きたくなる地域づくり、看護師の養成に真剣に取り組むことが医療的ケア児の安心生活につながり、誰にとっても住みよい、住みたくなる町となり、都市間競争に勝ち抜くことになると考えています。

  

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