2018/10/10

10月10日『介護保険の現状』について

2018年

2000年に介護保険が始まって20年になろうとしています。前回この欄で、政府の1億総活躍プランの中に華々しく掲げられていた「介護離職ゼロ」という公約について、忘れ去られてしまったかのようであることを書かせていただきました。

昔と今では、下記のように介護を必要とする国民側の家族の在り方はどんどん変化しています。

●介護する人と介護を受ける人が共に75才以上という「老老介護
●親の介護と子育てが同時進行する「ダブルケア
●結婚しない息子(娘)による「シングル介護
●同居家族が誰もいない「独居介護
など様々である。

そもそも介護保険は今、どんな現状にあるかを整理してみたいと思います。

まず一言で、介護保険は「逃げ水」のようだと言えると思います。なぜなら、保険料を払っても払っても改正のたびにサービスが消えていく現状であるからです。

保険料も3年に一度の改定のたびに増額されており、全国平均でみれば当初の約2,000円から、今は約6,000円になっています。
また、保険料は年金から天引きされるので、高齢者の生活は圧迫されています。

よく「年金額が毎年減っている」と言われますが、介護保険料の天引きで可処分所得を減らしていることにもよるものです。
介護保険料を払うために、食事の質や量を落としたり、外出を減らして引きこもったりと本末転倒の事態を引き起こしています。

また、「逃げ水」サービスの代表格は特養の入居制限です。今や要介護3以上でないと入居できない。これが質が担保されない無届けハウスなどの増殖を招いています。

しかし、無届けハウスが要介護者の最後の受け皿にならざるをえないのも実情です。

利用者負担も重くなる一方で、1割負担で始まって2015年からは一定所得以上の人は2割負担になり、2018年からは更に所得の多い人は3割負担になりました。

●2018年10月から
掃除や調理などの生活援助サービスが抑制されています。
●2014年から
要支援1,2のホームヘルプ、デイサービスなどが保険から切り離され、自治体の地域支援事業に移行しています。
●2005年から
介護保険における食費や居住費が保険から自己負担になりました。

このように介護の社会化どころか「保険料負担あって介護なし」というのが介護保険の実態ではないでしょうか?

今や介護保険だけでは、介護の社会化は実現的に不可能です。本欄4月19日付けで書いたような「 在宅や地域における丸ごとケアシステム 」の構築を早急に進めなければ、多老多死社会に対応できないと考えています。
 

  

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