

2019/1/16
1月16日『「孤独」対策を』
2019年
1月13日付けの朝日新聞朝刊の記事によると、自分の孤独死を心配する人が50%に達しているそうです。
これは、2010年の同じ調査の37%から大幅に増加している結果となっています。
特に一人暮らしの人では、孤独死を心配している人が67%と最も多いとも報じられています。
日本では2040年に全世帯の約4割が一人暮らしになると推測されているため、今後、孤独死に対する不安はさらに高まることになります。
総務省の調査によると
・我が国の高齢者の孤独死が年間15,000人に及んでいます。
このことは高齢者の問題ということではなく、社会的孤立という観点から子どもたちの孤立にも目を向けるべきであると考えます。
孤独死だけでなく薬物、引きこもり、自殺、不登校、ごみ屋敷、虐待などさまざまな問題が原因となり、年間300人以上が、悩みを誰にも伝えられずに一人で苦しんで自殺をしてしまっている現状も日本では深刻な状況にあるのではないでしょうか?
OECDの調査
社会的孤立の状況にある人の割合は、日本が約15%で最悪な結果になっています。
さらに深刻な数字は…
▼ユニセフの調査
孤独を感じている子ども(15才)
●1位(日本)約30%
●2位(アイスランド)約10%
という結果であり、我が国は、世界中でも突出していることからみても日本は、世界の中の「孤立大国」とも言えるのではないでしょうか?
まさに、孤立対策にまったなし!の危機的状況である。
では、どうしたら地域から孤立を無くせるのか?
各地で模索が始まっています。
▼大阪の豊中市
「何かお困りのことはありませんか」と訪ね歩き、ひとりぼっちをつくらないという見守りローラー作戦を展開しています。
特に、ごみ屋敷問題を社会的孤立のサインとして重視し、ごみ屋敷の片付けに近隣住民を巻き込み、人と人とのつながりをつくることをきっかけとしています。
更に豊中市では、引きこもりの問題にも力を入れており、引きこもりの状態にある人が社会復帰する前の「中間的居場所」を作っています。
ここで同じ状況にある人と話をしたり、簡単な職業訓練をする中でひきこもっていた人が少しずつ自信を回復し役割や居場所をみつけられれば成功であるということになります。
▼佐賀市
「どんな境遇の子どもも見捨てない」という取り組みをしています。
佐賀市は「訪問支援」を重視し、苦しみや悲しみを誰にも相談できない子どもたちのもとを訪れて寄り添うということをしています。
市役所、民生委員、企業、ハローワーク、学校、病院、児相、警察などと連携し、SOSをキャッチし訪問するのである。
そして子どもだけでなく、病気や障がいや失業や貧困などによって悪循環に陥っている家族をまるごと支援するというものです。
これらの事例をみてわかることは、社会的孤立にある人を地域社会に繋げる専門職の重要性であると考えます。
英国では「孤独問題対策担当大臣」をおくことにもなっています。
日本政府や自治体も、孤独問題の専門職の養成などに真剣に取り組むべき時がきているのは間違いありません。