2017/03/30

障害者による文化芸術活動の推進に関する法律案

平成29年早期の成立を目指して!

法案のイメージ

この法案が成立することで、障害者が文化芸術を鑑賞・参加・創造できるよう、国や自治体が支援することが定められます。
例えば、字幕や手話、音声ガイドでの説明を増やして映画や美術館を鑑賞しやすくしたり、価値が高い作品を発掘して海外へ発信したり、支援を行う人材を育成したり……。このような障害者による芸術活動を幅広く促進するのは、次のような時代の流れを踏まえてのことです。
・芸術の専門教育を受けていない人たちの創造性を発揮した作品が、高い評価を受けていること
・その中心が障がい者の作品であること

インタビュー形式で伝える 本法案にかける熱意

本法案における中根やすひろの活動や想いを、インタビュー形式でご紹介します!

障がい者アートの価値を広めたい

--どうしてこの法案を提出することにしたんですか?
基本理念にもうたわれているんですが、障がい者のみなさんが作られる作品には、素晴らしいものが本当にたくさんあります。でも、それが社会全体に知られていないんですね。さらに障害者基本法が改正されて、手話が言語と位置づけられたんですが、この関係で聴覚に障がいを持つ方から「映画に字幕をつけてほしい」という要望が生まれたりしてきました。
こうした流れの中で、社会環境を整備していこうという機運が盛り上がってきたので、そろそろ良いタイミングだなと。

--取り組みそのものは、いつごろから?
法案イメージや条文作りを始めたのは、2016年のお盆明けぐらいからです。でも下準備には2年ほどかけてます。障がいと一口に言っても、いろいろな現実がありますから。十分な内容を法律に盛り込むために、当事者や支援団体にしっかりヒアリングを行う必要があったんですね。
国内でも支援活動はちらほらあるんですが、本格的な理解や活動は、まだまだです。この法律が整備されることで、幅広く理解が進み、文化芸術を通じた交流の輪が広がっていくことを期待しています。例えばフランスのナントという都市では、町おこしの起爆剤として障がい者アートを含むアール・ブリュットというものが注目され、観光の目玉になっています。

法案を成立させるために

--これまでに、なにか苦労はありましたか?
実は、こんな良い法案には誰も反対しないだろうと楽観的に考えていました。ところが最後の詰めのところで待ったがかかりました。ネガティブな内容ではなく「これでは物足りない」というような、前向きでありがたい指摘だったんですが、会期末が迫っていたんで焦りました。
修正を加えるとなると、超党派で作った法案なので、各党でもう一度、議論しなおすことになります。会期を終えるまでに通さないと、法律として役立つのがそれだけ遅れてしまうでしょう。月単位で法案提出予定がずれ込んでしまい、ジリジリしましたね。

--そんなときは、どんな気持ちでがんばるんですか?
他の法案に関しても、焦ったりくじけそうになることはあるんですが、その度にダメだったときに残念がる人たちの顔が浮かぶんです。そうなると立ち止まってはいられません。「やる人は他にいない、私がやるんだ」と気持ちを奮い起こします。おかげさまで本件も、今国会に提出する目処が立ちました。これからも気を緩めず、法案成立を目指していきます。

現実を変えていく力に

--法律ができると、どんな効果が期待できるんでしょうか
法律があることで、国や自治体の支援対象としてきちんと認められるようになります。ちゃんと予算や人員をつける裏付けができるんですね。つまりこの活動をずっと続けていくための、恒久的な基盤ができるんです。これは、日本全国で頑張っているやる気ある人たちの、心強い武器になります。
法律って、現実が先に進んでいて、法的な整備が間に合わない状態で、後追いでできることも多いんですが、今回は逆のパターンです。法律が現実を主導することで、社会がよりよく変わっていくことを願っています。

--成立後は何を目指していくんですか?
法律案のイメージにある基本的な施策が、地域の実情に合わせて実現されていくことを目指します。そのためには条例の整備が必要です。私は具体的な施策の一つとして、常設の障がい者アートの展示場を造ることを掲げています。障がい者のみなさんの作品がもつ価値は、口では言い表せないものがありますから、実際に鑑賞してもらうのが一番だと思うんです。
ゆくゆくはNPO法人や民間の方々が主体となって、地域で交流を深めて、毎日の喜びが増えていってほしいと思っています。議員連盟としても、2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向けてもっともっと活動を広げていきたいですね。

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