2017/5/15

地域でお金を回して都市の魅力を創出したい!

中根やすひろが大切にする「コトづくり」ビジョン

地域でお金を回すための「コトづくり」として、観光と再生可能エネルギーを例にあげて、私の考えを示したいと思います。

ものづくりの力をコトづくりに活かしたい

西三河地域は、日本一の「ものづくり」地帯といえます。お陰様で、工業出荷額、所得水準、人口増加率の高さなどは、全国的にみてもトップクラスの水準です。ものづくりが成長の原動力となっていることは、私たちに共通する認識でしょう。ところがその一方で、人口あたりの小売販売水準は、全国平均より低いくらいの水準にあるのも事実なのです。これは、郊外ロードサイドに大型ショッピングモールは数多くあるのに、地域内における消費への意欲は低いということを示しています。
例えばクルマ社会ということもあり、駐車場が少ない駅前の商店街の利用は総じて低調であるようです。ビジネス客は多いはずですが、ホテルはもちろん魅力的な飲食店街、飲み屋街も少ない。これはつまり、工業の活性化で増えた税収が街の賑わいを高めることに活かされていない、ということではないでしょうか。せっかくのものづくりの力が、都市全体の観光や消費を高めることにつながっていないのです。

地消地産を貫くコトで滞在型の観光客をひきつけよう

都市にもっと魅力的な賑わいを創出するためには、ベースとなる工場立地の整備は必要です。それに加えて、地域内の内需を引き出すことや外からの消費力を取り込むことが「地域でお金を回す」ことにつながります。ここに観光に力を入れる理由が生じるのです。
しかし観光が、単なる物見遊山や単発のイベント、周遊であっては継続的な消費は見込めません。滞在型の観光客を多くひきつける必要があります。滞在型にするとは「泊まって」もらい滞留時間を長くして、お金を使ってもらうということです。泊まりたくなるためには、早朝や夜間に楽しみがあることが肝心です。神社や寺に参拝する程度なら、泊まらなくても昼間だけで終わってしまいます。
そこで早朝は朝市や、愛知県の特色である喫茶店のモーニングサービスなどを売りにしましょう。夜はやはり、お酒と食事です。ここで大切なのは地元の食材を使う「地消地産」を貫くこと。そこでしか食べられない新鮮でおいしいお料理を、地酒と一緒に楽しむことができれば最高です。

地元を大切にするコトでインバウンドを増やそう

地元で使うものは地元で作られたものを使えば、地域でお金が回ります。地場産業や伝統産業にも、その場だからこそ味わえる体験型ビジネスといった新たな可能性が見えてきます。これもまた滞在型の観光資源になるはずです。
その際に大切なことは、地元の人たちが外からのお客様を心から歓迎し、おもてなしをすることです。大切にされた観光客はリピーターになり、周囲によい印象を拡散するPRを担ってくれるでしょう。昨今のクールジャパンや観光立国の流れを踏まえれば、外からのお客様は国内だけでなく外国からの旅行者のみなさんを増やす必要があります。こうした日本を訪れる旅行をインバウンドといいます。外国の方に地元の文化や歴史などを堪能してもらうには、外国語で解説できる通訳案内士も必須となるでしょう。
このような魅力ある観光の基盤となるのは「よそゆき」を見せようとせず「ありのまま」を地元の人が誇りに思い、愛し、大切にしているということです。地元の人が愛していないところなど、外から見ても魅力を感じるはずがありません。地元の人が愛するところへ訪れる人たちは、その理由を見つけたいと思うのではないでしょうか。

地域でお金を回すために再生可能エネルギーの活用を

ここまで地消地産やインバウンドを促す観光に力を入れることで、地域でお金を回すための具体的な考えを示してまいりました。この目的を一言で言い表すと「都市の総合力を引き上げ、地域資源をブランド化する」ということです。これと同じ狙いを持っているのが再生可能エネルギー、いわゆる再エネです。
再エネは、地域でお金をまわす重要なツールであり「コトづくり」です。なぜなら既存の石油、石炭、LNGを燃やして発電するのは「化石燃料を地域外から買う」ということにほかならないからです。そのお金が行きつくところは中東の石油王になります。しかし地元の太陽、風、熱、バイオマスといった再エネを使えば、今までは捨てられていたゴミが地域の資源に変わります。資源はお金を生み出し、雇用を作り出すことにもつながるでしょう。特に額田地域は、有力なバイオマスの供給地です。こうした経済的な裏付けがあってこそ、地球温暖化の対策も進むというものでしょう。
このように、地域でお金を回す「コトづくり」の代表格が観光と再エネだというのが、私の考えです。

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